歌詞のようなブログ(商標登録第6332108)／夏井くわみ

■来ていた季節無粋なお客をお茶で帰したあとであのひとが来てくれればいいのにと思う休日せめて一通　メールでもくれればうれしいのだけど手鏡でお化粧を直して　さりげなくタップしても 1コールだけでなぜか躊ちょする　弱気な心のしるし発信歴に残る　あのひとの電話番号普段は仲良く　地下鉄までのみちすじあのひとと歩いている会社がえりにふたりしてああ飲みに行こうと　声かけられたらすぐ　ついていくのに私のどこかたりな...

■ナスターシャもし僕がかなしい顔をしててもこの街の住人はなにもいわないかなしむ自由　尊重してくれる未練男を放っといてくれる君には自分の人生を生きる権利がある　そう言って別れたのだからスケジュールの空いた午後同じ街に住もうとも　君と二度と会うこともないナスターシャ　イリスの匂いがまぶしくて　いつも君をただせつなく　見つめ返してたよナスターシャ　抱きあうときに床におちた君を覆うちっぽけな布にさえ君がい...

■Diminuendo Night3日3晩はそれでもどこかしらうろついて　飲んではつぶれた自分をなぐさめたきみはきれいに　家具ごと運び出しこの恋の　終焉（しゅうえん）を見せつけ　所在不明なままと、はいえ　あくまでプライベートよそいきの女たちをほめて腕利きのBrokerをほめて　高値で引けたら　拍手してひとり　家へ　帰りつくいつのまにか居着いた猫が出迎えてくれる　Diminuendo Night白と黒との　制服を着てる給仕たち　目ざわりそ...

■あ！いいのよ気になさらないでクリーニング代なら結構よレジでたまたま卵が潰(つぶ）れて　私の服についただけのこと手伝ってくれなくてもね買い物カート　ちゃんと押すから私の車は　ほら　あそこだしあなたの車はああそこなのねお別れしましょう　ここはスーパー・マーケットの駐車場よ何も始まらないわよ　DEAN & DELUCAと言えどもこんなところで押し問答しても埒（らち）があかないじゃない私に話って何よ？時間がないのよ　...

■二番目のあなたこいびとを待たせてあなたのうでにいるあそこのカフェで彼は本を読むのが好きなの枯れ葉のこころよどこの空でも舞う華奢（きゃしゃ）なライン倒れこむシルエットが大事ね　ひそやかなる気まぐれにつきあってくれるあなたにおとこをかんじるわ日常会話で　交わす知的な猥雑さ快楽は空気がふれあうこと脱がないで　官能を享受できる二番目のあなた知ってしまえば　そうおしまいなのかしらあなたのことはよくは知らな...

■海におちた紅（くれない）想いを届けに行くよ月に恋をした　ムスメ手にふれられぬものにあこがれる　名は夕陽はにかむ笑顔のうらでかなしくうつむく　ムスメウイキョウの花を嗅ぎ想い睦（むつ）む　髪梳かすあれは何千年前　愛しの月様を思うあまりに ある晩ムスメ　ムスメは　涙に酔い月様に逢うために　ムスメは海に身投げしたすると紅（くれない）いろが迫るように拡（ひろ）がりさざ波がかなしみを伝えていたあれから何世紀経...

■おやゆび姫 思ってたより　年上で　色褪せて見えても私のことを　まだ手放さないでほしいの思ってたより　がらっぱちで　不機嫌に見えても私のことを　まだ見限らないでほしいのかけてる音楽が愛の言葉ばかりで耳障りに感じたら言ってね　すぐに消すわふたりはずっと押し黙っている話題もすれ違ってて　よそよそしいわ何か問題あるの　ねえ　私に説明してよ消え入りそうな私　おやゆび姫のようよ　やたらくちが渇いてあなたをガリ...

■さけび作詞：Danelle Leverett, Rune Westberg, Jason Reeves作曲：Danelle Leverett, Rune Westberg, Jason Reeves日本語詞　夏井くわみ夜ふと目覚めあなたを想うとなりの枕にはくぼみが残り　あなたの温度それさえも漂う耳が痛むような恋しさにうずくまるぼくらが話すことに意味などすでにないとあなたは言ったわいつも沈黙だけにやぶられてはこころはしろくなる　愛のさけび　Ah Ah Ahあなたの影が月にうかぶとわたしは深く沈...

■わたしは女TAZRANアアア～ア～ 　ターザンさ誰がわたしをそう呼ぶのか女ターザン　都会の密林の枝から枝を渡りながらあなた助けに　次々倒してく野性の炎胸に抱いて魔性の花びらのように舞うのよ絶望と常に背中合わせ危険とかけひきしてるのよ右に左に　ダダダダかっ飛ばして　ゆく二度も三度もあったらやってられるか　人生一度きりだからいいのさアアア～ア～　　ターザンさすぐに寝返るやつばかりさ女ターザン　何やらおとこた...

■宝石それは見えなくても光るものそれはかたちにならないけどいつもあたしを支えてくれるあなたの愛が浮かんでくるデータじゃなくてこころのファイルにしまいたいどんなくちづけも　動画撮りしたら色あせちゃう　上も下も右も左もない世界を知る美しさに手を染めたいいつも迷惑かけてくれて　いつも振り回してくれて　あなたに言わなきゃ　ありがとう浮雲から日差しが射したり雨が降ったり季節からのたよりにも敏感になりたいここ...