歌詞のようなブログ

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飲まない酒を飲む夜は

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■飲まない酒を飲む夜は

飲まない酒を飲む夜は 
ふいにいいことがあった時がいい 
飲まない酒を飲む夜は 
とっておきの酒を取り出すがいい

何のまえぶれもよこさずに
友がぶらり家に寄った
釣ったさかなをてみやげに
玄関先に置いていった

涙や笑いが絶えなかった
この家ももう さまがわり
先立つ者に出てゆく者
毛づくろいする猫も歳

死とは日常的なものだね
祝儀袋と不祝儀袋が同じコンビニで
並べて売られてるようなものさ

飲まない酒を飲む夜は 
ひとりつらいときじゃないほうがいい 
飲まない酒を飲む夜は 
料理に舌づつみ打てる時がいい

右肩あがりの時代を終え
積荷降ろしてがらんとする
取るに足りぬ何某(なにがし)だけど
まだ牙は抜け落ちていない

男の手料理 手慣れたもの
猫が足もとでじゃれつく
終わりのほうにすこしある
それが人生の醍醐味

生こそ非日常的なものだ
からだの全細胞で誰かを愛するときに
心が奇跡を感じるように

飲まない酒を飲む夜は 
昔は自分を麻痺させるために
飲まない酒を飲む夜は
現実忘れ 酒で眠りたかった

暴れろ 暴れろ 酒の力を借りずに
暴れろ 暴れろ まだ 小さくまとまるな

飲まない酒を飲む夜は 
ふいにいいことがあった時がいい
飲まない酒を飲む夜は 
日々の無事を感謝する時がいい


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