紅(くれない)ひといろ
0■紅(くれない)ひといろ
一途な想い 絞るよな
紅ひといろ
袖を流して チラリ
あなたを見やります
こころが泣いていてもそう
悟られぬように
よこがお見せてそっと
あなたに微笑みます
愛の話しをするのには
生きてる時間は短すぎて
ほんのひと刷毛(はけ)で 夕日
女は片方の手でさびしさを抱く
あなたに愛されてしまったら
私、なにもなくなる
約束なんか交わしません
綴りはしません
物語るものは そんな
ふたりのにおいです
この世に残すものは
何もなくていい
かたちをくれるものは
あなたの吐息だけです
深い声に包まれたら
谺(こだま)のように 呼び合うけど
本当に奏でてしまえば
終わりそうな恋です あなたの腕で
やりきれなくてやり場もなくて
だから微笑むんです
このいのちのすべてを
あなたにもう与えたい
そうおもいつめれば
紅ひといろが いっそう色めくのです
愛の話しをするのには
生きてる時間は短すぎて
ほんのひと刷毛で 夕日
女は片方の手でさびしさを抱く
あなたに愛されてしまったら
私、なにもなくなる