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歌詞のようなブログ

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すずり箱

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■すずり箱

朝に夕に硯(すずり)を刷(す)ります
馴染んでる着物で正座して
半紙に何かしたためてます
くずした文字は誰にも読めない

何を綴ろうと 誰を想おうと
わたしの勝手 自由気儘に
つくえに向かっています

ふと障子越し 雪が提灯ぶらさげて
まわりながらあたりを照らしてます

かなしんでても 幾年(いくとせ)
しあわせさえも 幾年(いくとせ)
一筆がまたかすれゆく 愛(かな)しきものよ
すずり箱に しまうほど ささやき立てる 私の秘密

男と女は顔隠しても
うしろに黒子がおりまして
三味線(しゃみ)の音色にすすり泣いては
道行を阻む波浪の壁

高貴であろうと 下賤であろうとも
いにしえびとも 恋に泣いたと
わたしの筆 墨を吸う

あなたのことを ただ愛すると書くうちに
愛されたかった思い出がよぎる

時を待てども 幾年
文をやぶれど 幾年
どんな花よりもきれいに かなしみが咲く
すずり箱の 蓋とじて ふと手も老いる 私の秘密



356b39ca17aca7d62941df567b42b24d 春待抱き




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