最終上映
0■最終上映
役者もよかったし 芝居もよかった
だけど何かが足りなかった
嘘がなかったぶん 物足りなかった
真実はときに嘘をつくもの
男とか女とか そう どうでもいい
恋とか夢とか 無理しなくていい
ダメとかいいとか もうそんなんじゃない
勝ちとか負けとか どっちだっていい
例えば 明日になれば 取りこわされる 映画館
擦り切れたフィルムに 映し出される ふたりは 最終上映
そう その目だ 僕が 愛していたのは
渇望の果て愛を憎む
正しさを着こんで つまらなくなった
かんじるうちは 不幸じやないのさ
フェニーチェ劇場に いた頃の僕は
プリマドンナの君に恋した
指揮者にふたりで 食ってかかったね
神の手に 転がされて 裏町へ
本当の 声が今 消されてゆく キスでふさぎ
終わりがわからずに ただそばにいた ふたりの 最終上映
「歌詞のようなブログ」
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