Sailing
0■Sailing
帆柱だけが風に鳴る
暮どきのヨット・ハーバー
あの日おとなだったら
出会えなかった ふたり
金色のコイン撒かれたような
光が織る 海はあまりに青
マリーナに停めてある
伯父のヨットで 城ヶ崎まで
散歩しようか
ほら きみの涼しげなワンピースが
風に泳いで何か話してるよ
Sailing セイルが風を孕(はら)んでいるよ
Sailing 愛もゆっくり滑ってく
ぼくらが港に戻る頃
なにかわかりあえればいいね
お利口さんの恋は
したくないよね
馬鹿になり切れなきゃ そう
大人の恋できない
沖合に出れば なびくホリゾント
空が呼ぶよ 海を従えてゆく
電話もメアドもそう
知らない間柄でもべつに
それでいいのさ
ぼくの影がそっと伸びてゆく午後
確かめなくても気持ちは聞こえる
ほら きみのこころは白いかもめ
からだぬけだし そっと振り返る
やわらかくふたりはさらわれる
中心部 つかんで 離さない
Sailing しゃべってしまったら軽くなる
Saling その時がきたら短く
ふたりの愛について話そう
それまで気持ちはぐくもう
金色のコイン撒かれたような
光が織る 海はあまりに青
マリーナに停めてある
伯父のヨットで 城ヶ崎まで
散歩しようか
ほら きみの涼しげなワンピースが
風に泳いで何か話してるよ
Saiking 大事なことはしゃべり過ぎない
Sailing 話すべき時が来るまで
肝心なことは何ひとつ
今は言わないでおこう