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歌詞のようなブログ(商標登録第6332108)/夏井くわみ「私的オフィシャル」/ FC2

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笹鳴

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■笹鳴

ひっそりと秘めやかな思い出を
葛籠(つづら)にしまう頃
私を訪ねて来たのは 見知らぬ
銀行マンのような男 眉も涼しげ

私は猫を抱いていて
猫がたわむれに 引っ掻いたような
あまい胸の傷の熱を持つ


あのひとをなんとなく思い出して

日溜りで揺れていたのは
私たちの笑い声でしたか

思いもせぬ時に 仕付け糸がまだ
ついているようななごみ時に出逢う

まっすぐに見つめられてほんのりと
ひろがる胸の音
あのひとが遺言状で何やら
遺産の話を男にことづけたという

私は自分の立場が
奥さんだったらさぞ心痛だと
なんとなく慮(おもんばか)っている


あのひとがわたしをふと呼んだような

峠に白く咲いた
アズマイチゲが名残惜しいころ

地鳴きまであと もうすぐでしょう
笹鳴の鶯(うぐいす)が枝に止まる


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