最後の授業
0 0■最後の授業
うしろ姿を眺めていた
これでもう会うこともない
最後の授業終わる時刻(じかん)
だんだんと迫ってきてる
地味でおとなしい私とは
会話らしい会話もなく
記念に残る出来事もなく
席順もはなれていたね
今朝シャンプーしてきたのに
あなたとひとこともしゃべれずに
午後の教室のガラス窓
ねむい午後です
もうじきベルが鳴り
わたしも友達たちに手を取られ
ロッカーへと 運ばれてゆく
涼しい眉とあごのライン
スポーツマンらしい性格
ぶっきらぼうでそのまんまの
無防備な背中がいとしい
進路もべつべつだから
記憶にのこらないでしょう
わたしの記憶だけに残る
恋みたいなものでいいの
校庭に春のきざしして
またひとつ何か膨らんでく
映画の予告編みたいな
もの期待した
それでも悪くない
挫折よ この微熱みたいな想い
忘れるわ いえ忘れない
今朝シャンプーしてきたのに
あなたとひとこともしゃべれずに
午後の教室のガラス窓
ねむい午後です
もうじきベルが鳴り
わたしも友達たちに手を取られ
ロッカーへと 運ばれてゆく