耿耿(こうこう)
0■耿耿(こうこう)
誰にでも19歳の頃はある
かつての僕も19歳だった
青空だから 白い雲が
寄り添うのではなく
白い雲のとなりに
たまたま青空があった
そのようにして 僕は
控えめなきみと出会い
話しはじめていた
図書館にいる僕たちは
靄の中の睡蓮のように
時にアランの幸福論について
時に啄木の一握の砂について
時に人生の浪費の必要性と
活用次第で長く生きられると
アーク窓から差しこむ光に 影になる
ふたりは未来に消極的ですらあった
きみは二言目には言った
権威主義に毒されてると
きみだって実利主義
笑いあえば慈悲のてのひら
ファスト・コーヒーのそのマズさが
やみつきになるってこと
それが若さだよね
図書館にいる僕たちは
どれだけ生意気かを競ってた
山吹色のシャツを着たあの僕
萌黄色のワンピースですましてたきみと
あれはつかの間の恋に似だったのか
あれは向学心ゆえの友情か
時を経て今頃なつかしく思う
息をするのもおぼつかなかい想いだった
19歳の僕に言ってやりたい
まだまだならば まだ僕もやれるね
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