菊花
0■菊花
あなたがほどく唐小紋の帯
姿見に映るわたしが倒れこむ
はらりと落ちる薄絹の裾
その流れに菊花が散る
あなたの勝手とわたしの都合は
まるで逢わないと
脚バタバタさせて泣くよ
てのひらわけあえど
添えぬ運命が うらめしくて
ああ君よ 君よ
わたしはこんなに色あせて 恋のかたみ
これきり二度と逢うのはやめましょ
そう言いながら 今日まで続いてる
なによわたしを置きざりにして
からみついた気持ちが重い
季節深まりあなたへと 拡がる
いいかおりがくる
菊のにおいだけが 立つよ
逢いたい時逢えぬ
そんな不幸な恋をしたと
ああ君よ 君よ
気が向けば あなたが摘みにくる わたしの菊
あなたの勝手とわたしの都合は
まるで逢わないと
脚バタバタさせて泣くよ
てのひらわけあえど
添えぬ運命が うらめしくて
ああ君よ 君よ
わたしはこんなに色あせて 恋のかたみ