笑い声のかなたから
0■笑い声のかなたから
ふとしたとき垣間見えてしまうものなんです
ひとの心の暗部は透けて見えるものです
「好き」と100回唱えられてもそう挨拶は挨拶
目先のこと うわべのこと 罠とみてください
男の勝手も女の都合もいっしょです
失意と勝利を抱くにはこの軽べつはちょうどいい
あたしにだけ存在していない
あなたって見えないひとね
男の化粧も剥がれてゆく
やいのやいの言わんといて
ここはおさるのかごやだから
2年前のあたしなら 上手く騙されたかも知れない
はずみと出来心で あわよくば さらわれたかも知れない
ひとの沼には 血生臭いはなしが漂う
今日も蝶が うしろむくように舞う
2年前のあたしなら 騙されたかも知れない
あわよくば さらわれたかも知れない
2年前にあなたにはあたし心当たりあるんです
忘れるには時間が要る それをおぼえていてね
あなたの頬を平手打ちした その意味を そう
出まかせ女が言うことよ 気にせずわらいとばして
尽くしたりないのかと思った
気持ち重いのかと思った
我が家の仏尊しなのね
やいのやいの言わんといて
最後のお客が帰るから
ひとの沼には 湿っぽいはなしが似合ってる
今日も蝶が うしろむくように舞う
支払い済まして とっと帰っておくれよ それがあたしには愛