ハコベラ
0■ハコベラ
何かが吹いている
なつかしい風が
ひとみをくすぐって
おしゃべりしている
不思議でたまらない
こみあげる笑顔
きみに見つけた魔法
何を叶えようか
それはさしずめ
誰のためでもなく
ひそかに咲いている
袋小路の奥の ハコベラ
花と呼べない花の時
距離と呼べないすぐそばに
きみへの愛のように
確かにあるから
…困るよ
日差しの両手のびて
ぼくの心なら
オカリナを吹いてる
きみに溶ける午後
答えなんてないよね
わかってるつもりでも
きみといると何か
わからなくなるよ
自転車起こし
膝をふと払って
特別におもうよ
さりげなくある今日という日
時と呼べない時の今
触れられるだけそばにいて
きみがチクチク見つめ
ぼくにはこんなに
…届くよ
かすかな兆しが膨らんで
光もたげている
感じられれば きみも同じように
ぼくのことも思ってくれるのかなぁ
それはさしずめ
誰のためでもなく
ひそかに咲いている
袋小路の奥の ハコベラ
花と呼べない花の時
距離と呼べないすぐそばに
きみへの愛のように
確かにあるから
…困るよ