断頭台へのメヌエット
0■断頭台へのメヌエット
透明なたて琴が胸で震えた
あのはじめの日をまだおぼえてる
煙草手にあの男(ひと)はわかくて綺麗で
私はせつない匂いに吹かれた
濡れた肌一言もしゃべらなくっても
世界は想像出来ぬきらめき
物憂げな表情がくすぐる音楽
トパーズの光の中愛した
風はハープ・シコード 手を取りながら
ふたりは露(つゆ)を纏(まと)った場所へと
理由などなくていい そばにいてくれたら
美しい営みを さあ続けて
たったひとりの男(ひと)を私は愛して
たったひとりのものにならない愛
これがそう罪ならば愛するすべては罪深い
それとも愛にも上下があるのか
男だろうと女だろうと同じ
だけど今出ていった あの男(ひと)よ
水仙のむせぶ香りに埋もれて
私は断頭台へはこばれる
旋律はもう既に奏でられてた
あの男(ひと)を愛し始めた日から