残光
0■残光
日除けをおろした
バスにただひとり
ゆられているのよ
夏の昼下がり
言葉にならずに
あなたの背中が
映してたものを
そっとかみしめる
あなたと暮らした海の部屋
窓辺で一羽のカモメが舞ってた
あれがさよならなら きれいすぎるわ
しあわせじゃないときが
しあわせとは
限らないのね
想いからひとは
生まれ 願いを伝え
希望を託(たく)すと
今ならわかるの
戦争がなくても
平和じゃないのね
こんな平日に
愛を失くしたら
愛を計るものさしはない
暮らした月日の長さでもないわ
かなしみを知らぬ時が
しあわせとは
限らないのね
あなたと暮らした海の部屋
窓辺で一羽のカモメが舞ってた
あれがさよならなら きれいすぎるわ
しあわせじゃないときが
しあわせとは
限らないのね