Sonatine
0■Sonatine
あなたの腕のなかであの娘は
まるでゆれるガーベラだった
眩し気にひだまりを見るよに
わたしはひとごみをいそいだ
かなしみの歯車が回り出す
わたしの目が暗く煌めく
あなたの目に映る花は
どれも そう 綺麗だから
移り気になるのも仕方がない
花という花をわたしが摘むには
十分すぎる理由がある
Sonatine さいごに ただひとつ
かなしく ゆれて 咲いてても
あなたはわたしを花だとおもわない
わたしを好きだと言ったあの日
最初の日をかえしてください
あなたには記憶さえなくても
わたしの本気かえしてください
かなしみの舞台が暗転する
わたしの髪が追いかける
あなたの心に映るよう
すべての心をつぶそう
ほそい頬 蔦がそっと手を伸ばすよ
夢という夢 あなたから奪うのは
わたしを夢にしてほしいから
Sonatine 手をのべ こんなにも
片方 ずっと 燃えてても
あなたはわたしを夢とはおもわない