GREEN
0■GREEN
つかれたときはみどりを見よう
彼女に電話が通じるなんて
まったくおもわなかったから
僕は咄嗟にそう言ってた
来るとは思わなかったよ
僕が言うと わたしもよと
お互い憎まれ口を叩く
約束の時刻少し遅れ
彼女が店に入ってきた
あの若い日 恋におちたというだけで
僕たちは被害者であり 加害者でもあり
すべてであり得たけど
結局僕はなぜか彼女に手は出さなかった
夏の日盛りは つよい日ざし
リザーブした窓辺のテーブルの
木陰のほうを彼女に譲る
料理が食べたいわけじゃなかった
メインディシュがはこばれて
そう それだ その食いっぷりに
僕はあの頃惚れてたんだ
あの頃憧れていた
この店に僕ら似合うかな
青春なんて 当時はおもわなかった
むしろ若さを嫌ってた だけど今なら
僕らは言える気がする
青春は過ぎてから言える とむらいの言葉さ
何かが本当に終わる なつかしく
GREEN みどりだけは繁るけど