■ひとの世
ひとの世は不幸と言えば不幸
倖せと言えば倖せ
ひとの世を渡れば荷はおもく
おもうにまかせぬことばかり
ひとの世に咲くのは愛想笑い
ポツリ置く酒のグラスよ
ひとの世にいるのは鬼か蛇か
今夜もうらんでなきぬれる
少しばかりのかなしみをつまみに
よかった頃の自分を肴に
ひとはひとにあらずか
ああひとの世
ひとの世になさけは無用なもの
かりそめに生きてはならない
ひとの世はじぶんのために生きる
それが他人のためにもなる
朝目をあけるときとおやすみに
目を閉じるときにおもうひとがいる
ひとはひとにあらずか
ああひとの世
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