はだかの木
0■はだかの木
かなしみを一枚ずつぬぐように
あなたへの想いもうすれてった
傷ぐちも癒(い)えたのになぜ今よ
わたしのまえに あらわれたあなた
目の前がくらくなる
二年の年月が横たわる
こわれた愛をくっつける接着剤などない
あのぬくもり あのときめき
もう終わったはずよ
鏡(ミラー)に白手袋がのびてくる
「お似合いですよ」とうながされてふと
ひだりのくすりゆびあなたに見せた
宝石店(みせ)を出るとき 誇らしかったわ
許すから帰ってよ
あなた何したかわかってるの
ふたりはそうねつかの間ただ枝をふれあわせた
ごらんのとおり はだかの木でも
北風もさむくない
愛するひとに云わせないで
つらいわかれを云わせないで
La La La…