■後(うしろ)の月 ~歌詞のようなブログ~
誰が呼ぶのか 月がのぼる
水面にうかんだ 女がひとり
今頃あなたはあの女(ひと)を抱いて
私は私抱きしめる
同じ夜だというのに
涙の貝殻ひとつ
また私の袖を重くする
紫の君よ 仄(ほの)かに待てど
あゝ想い満ちれば どこまでも哀しく
影が浮かばせる 鑑(かがみ)に
後(うしろ)の月
誰が吟(うた)うやら 月読む文を
髪をほどいて 女は伏して
あなたにあの時抱きすくめられて
あれが第一夜だった
同じ月だというのに
また歳を取る私
かぞえて十三夜 雲間がくれ
紫の君よ 愛は姿なく
あゝ温度をくれる 煙草の香水を
つけて見上げれば 闇間に
後(うしろ)の月
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