ワルツはもう誰とも踊らない
0■ワルツはもう誰とも踊らない
もう思い出はふりむかない
抱きしめてもきみはいない
影のない男は正装して
恋の亡霊の手を取る
ブロンズ像だけが抱擁してるシャトー
痛みだけが生きてるということ
愛したことさえ 百も嘘
ふたりはアイロニー
ワルツはもう誰とも踊らない
時は絹ずれの音 molto allargando
ワルツはもう誰をも愛さない
からっぽなサロンを 静けさが満たす
死神はきっと生きている
1ペソの価値すらない今
蔦(つた)の葉が病んだ頬に手を伸ばしてくる
別れだけが唯一の事実
あでやかな孤独 百も本当
ふたりは致命的な、
ワルツはもう誰とも踊らない
鬼とホトケを使い分け molto allargando
ワルツはもうからっぽにただよう
フルートグラスに ありし日がたちのぼる
※タップして下さい。