銀杏(いちょう)燃える日
0■銀杏(いちょう)燃える日
他に好きな男ができたみたい
あなたとはもうこれで会えないわ
愛はときに不実で 嘘をつく
どういう嘘かはあなた決めていい
尊敬してた男が
子供じみてきて
私を束縛する
普通の男になった
軽蔑(けいべつ)にも値しない
わたしたちもそう どうしようもないわね
あんなに会いたかったのに
いつでも会えるようになると
なぜ居心地が悪いの
べつに遊びのつもりではなかった
何もなかったと言えるはずもない
泣くなんて厭(いや)だわ あなたが先に
どういう涙も終わりをかざれない
従順だった女が
ものを覚えてきて
何が必要なのか
見えてくるようになった
女が求めているのは
必ず男だとあなた思ってるの?
沈むわたしたちの代わりに
窓の向こう 金のガウン
銀杏(いちょう)が燃えているわ