深雪(みゆき）
0■深雪(みゆき）
家賃のために働くのも
この東京じゃ定番ね
ひいふうみいと数えうた
あげた愛でも返される
行員になったばかりの頃は
何より貯金がぜい沢だった
まさかよ 悪い男のために
まさかよ 知らず知らずのうち
使い込みするようになるとは
深雪 深雪 深雪 自分の声さえ聞こえない
深雪 深雪 深雪 抱きしめるそばから溶けるのに
あたしのなかに降り積もる雪がある
ちょっとどこ見て歩いてんのよ
タバコの灰落とさないでよ
なによこの服高かったのよ
言ったが勝ち 女の喧嘩
お金で転げ落ちてく奴らを
見くだしてたのに同じ穴のむじなね
あり得る 「愛してる」って言葉
あり得る あいつは一瞬
わたしには一生だった
深雪 深雪 深雪 すべてを凍らせてしまおう
深雪 深雪 深雪 刑事さんひどい言いがかりね
あたしの足跡 雪が消してくれてるわ
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