男というスーツ
0■私はサッカーを知らない
失恋は人生の料理に
必要な塩だ
匙(さじ)加減 砂糖で味をみる
挫折のあとで
せめて気持ちは優雅になって
メゾンに立ちよる
私はクチュリエと打ち合わせ
生地をえらんでる
スーツなどどうでもいい
私はスーツが大嫌いだ 意地なんだよ
髭も整えました 道で女性 口説きました
頑なな男ごころ
着替える 時は今
女はスカート 男の制服は
スーツなのかもな
サヴィル・ロウでもよかったけど
自棄でパリに来た
スーツには用事がない
私は自分を新調する ならばクチュール
スーツを脱いでいます 私は仕立てられません
因果はめぐりめぐる
男というスーツ
ないよな ないよな
ちょっとした企(くわだ)ては
すごく手が込んでるの
君の科白 ふいに思い出し笑う