■ピアノBAR
思い出は奏でない
あの曲は
君がそこにいても
からっぽさ
終わった恋に ルビを振るのは
性分じゃない
どうしているのって
お互い不思議そう
ピアノBAR ふたりは短い曲
弾き方を忘れた 他に言うことはない
ピアノBAR ピアノBAR
こっちにも連れがいる
お互い様
次のひとがいても
いいじゃない
おごりの酒を きみにやるのは
やめておくよ
挨拶で愛することなど
もう出来ないから
ピアノBAR ホロヴィッツの十八番を
聞いたのが最後だった 幽(かそ)けき夜の終わり
ピアノBAR ピアノBAR