垂(しず)り雪
0■垂(しず)り雪
卒業までの二年で
行き先を決める
そんな決まりなどない
そう息巻いたけど
愛しあえたのは昨日まで
さよなら出来るのは今日だけ
垂(しず)り雪 風の中に声おいて
君はふるさとに帰る
高速電車にじきに乗る
この世界はひとつではない
きみの生き方 僕の生き方
22歳で別べつになる それが
当たり前過ぎて かなしい
夢はすぎても在りつづける
僕はもう少しここにいる
誰がそう 名づけた 愛は愛を知らず
でもあすが来なければ
僕らは愛せたのかも
この世界はひとつではない
分かりあえずに 目が潤んでも
こころはきっと忘れないから そうさ
さよならはさよならじゃない
この世界はひとつではない
きみの生き方 僕の生き方
中途半端がただくやしくて なのに
普通のように 捨てていく
この世界はひとつではない
たくさんの夢 たくさんの価値
一瞬ふれあって離れても
失くしたことには出来ないよ
この世界はひとつではない
きみの生き方 僕の生き方
たくさんの枝が重なり合い そして
大きな森をなしてゆく
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