葡萄の房とドストエフスキー
0■葡萄の房とドストエフスキー
わたしの騎兵隊は 投降してしまった
でも最後の一手であなたをいただき
不機嫌な君も素敵 言ってくれるじゃないの
嫌ね チェスの話なの Ah琥珀のお酒
手を伸ばす 一粒の涙
あなたを想って
貴腐(きふ)してゆく
腐りかけのわたしもあまいわ
高い枝に残るあなたの葡萄
ワインにしてセラーで眠かせてる
あなたのいないしずけさが ボトルの底で
ぼんやりとただよう
ねぇ死んでみる気はある 光を体に入れて
あなたと朝が来るまで よく愛したものね
わたしが持ってたものを 彼女が受け継ぐのね
かりそめなのはわたしね 負けても勝ちなのよ
悲劇のほうがやさしいかも
胸がわるくなる
このくちびる
あなたの気配引き止めている
情無し 性悪 癪(しゃく)なやつ あなたの
ワインのラベルも褪せてしまった
いつか哀しみも透きとおる日まで わたしなら
現実的でいるから
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