眉月
0■眉月
寒いからわざとTシャツ
効かないヒーター
コンビニ前で駐車した
もうじき夜明けさ
翻(ひるがえ）る空はZenith Blue
きゅうくつな世界で 酸欠になりかけてた
もう愛しかいらない
そう言ったら きみはくすっと笑うね
きみのとなりにいるこの男が
誘拐犯だとも知らず
きみとフルスピード 国道をまた走ろう 眉月
聳(そび)えるコンビナート群
風のごう音が
ぼくらをノセて突っ走る
理解をもとめない
ふたりだけが この世界にのこされた
現実を追いこし 何度でも出会いたい
僕らは生身だから
くさりかけの 愛さ 血も涙もある
きみが信頼してる男の持論は
『究極的な愛は死だ』
エンジンだけがまるで 生きてる音をさせてる 眉月
動脈と静脈がまじわる場所で
その時初めてきみは
僕の正体を知る
もうじき夜明けさ
翻(ひるがえ）る空はZenith Blue
きゅうくつな世界で 酸欠になりかけてた
もう愛しかいらない
そう言ったら きみはくすっと笑うね
きみのとなりにいるこの男が
誘拐犯だとも知らず
きみとフルスピード 国道をまた走ろう 眉月
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