■日の残り
あなたのくちびるには
まだ日の匂いが
ほのかにする
あなたのまなざしにも
まだ日のぬくもりが
ただよっている
海鳥たちは帰ってく
残照はまたたき
打ち寄せる波だけがただ
無言の言葉叫んでいる
消え入りそうな 日の残り
わかってるわ 日に向かうと
影になる さよなら
わかちあうものがもう
別れしかないなら
さびしいわ
伝えようのないこの
切なさにじきに
日は沈むのね
あの丘の一本の木
悲しみに指さす
日をとどめてる そのシャツに
しばらくもたれさせてほしい
手をのべてみる 日の残り
ふたりが行けば かたむく日だけ
追うような さよなら
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