月山
0■月山
未だ知らず 山と抱けるものを
心は見ず 山と身に降るものを
僕を呼ぶは 夢の向こうの声
憧れてる 月山と耀くもの
触れても触れても抱けないものありて
それでも心から清らかなものに
手を伸ばそうとする
愛というにはまだ足りず 恋というには足りすぎて
時はきびしく ながれは速くとも
心に積む ものだけを山と呼ぶな
突き動かす 時も山と言うから
山に消えた 者たち 追いかけるな
石になるな 木になるな 歩いてゆけ
呼んでも呼んでも届かないものありて
こんなにそばにいてふれられぬものに
心は問いかける
愛というには短すぎて 恋というには永(なが)すぎて
時は去りゆく 命はまた儚く
日々の暮らし 拙(つたな)い想い
山に生きて
山に死んで
酒はあまいか 酒は辛いか
触れても触れても抱けないものありて
それでも心から清らかなものに
手を伸ばそうとする
愛というにはまだ足りず 恋というには足りすぎて
時はきびしく ながれは速くとも