月山
0■月山
未だ知らず 山と抱けるものを
心は見ず 山と身に降るものを
僕を呼ぶは 山の向こうに透ける
月というもの 燦然とかがやく
触れても触れても抱けないものありて
それでも心清らかなものに
手を伸ばそうとする
愛というにはまだ足りず 恋というには足りすぎて
あなたと見ている 月日は何処に
心に積む ものだけを山と呼ぶな
突き動かす 時も山と言うから
山に消えた 者たち 追いかけるな
石になるな 木になるな 歩いてゆけ
呼んでも呼んでも届かないものありて
こんなにそばでふれられぬものに
心は問いかける
愛というには短すぎて 恋というには永(なが)すぎて
あなたと還ろう あの月山へと
山は浮かび 山は沈み
月の銅鑼に幾重にも靡く雲は紫の舟
触れても触れても抱けないものありて
それでも心清らかなものに
手を伸ばそうとする
愛というにはまだ足りず 恋というには足りすぎて
ふたりで見ている 月は黄菊(きぎく)に燃え
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