ふるさと
0■ふるさと
ある時は朝まででたむろする店だ
ある時は添い寝してくれる女の胸だ
ある時はあばよと吐いた捨て台詞だ
ある時は訊かれても答えない秘密だ
ふるさとを訪ね歩いてゆくものが
またひとつふるさとから遠ざかるよ
ふるさとは まるで金魚のようにそう
ひらりまた身をかわして逃げるのだ
行きつけのかなしみあれば
ボトル一本キープして
一杯飲んだら帰る 常連客にならぬよう
あぶく銭で 飲む わずかな酒が
今日のおれのふるさとさ
しずく岩打ち どんな流れになろうと
いつかみんな同じ海に着くよ
青信号 だけど行くあてないならば
喧騒もふるさとだろうかと思う
云わせてくれ さすらうだけなら同じさ
傷口を 晒せる度胸が必要
泣いてくれ おれは笑うよ ひとの倍
ふるさとは逃げてる者にはきびしい
器量いい女じゃないが
ママは気のいい女だよ
会ったばかりの奴らと 今だけは盛り上がろう
暮らしてく 町の にわかなまりを
今日はふるさとと呼ぼう
「歌詞のようなブログ」
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