灯火の波
0■灯火の波
遺書を書きました
これまでのわたし
死んだことにして
さっぱりしてます
浮かれていなけりゃ
生きられなかった
ふりして真似して
それがわたしです
なりたかったね 花
なりたかったね 母
なりたかったね 港
この店の 灯りひとつ消えても
次から次に 街は
赤い灯の波が寄せる
店を閉めただけ わたしが終わった わけじゃない
陽気なさよならも
翌朝忘れる
薄情さ がそう
この街のおきて
細いカウンター
さかさまに映る
お酒の鏡で皆
何見てたでしょう
逢いたかったね 父
はぐれてきたね 愛
歌いたかったね 歌
人情に流されたりはしない
人の波止場は いつも
さみしがりやを誘う
時化(しけ)の中にいると 意外と静かな ものですね
遺書を書いてます
昨日におさらば...
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