たわけ。
0■たわけ。
壊れた自販機の点滅だけ果てなくつづく
ここはまるで死の谷ね 肌ぬけるぬるい風
伝線したストッキングのかたちに裂けた夜
終焉なんてあんた あっけないもんだね
ぼろを出したの 誰の身代わりなの
あの娘なのね フラレてやるから
行くなら行きやがれ
たわけ。愛だけがそこにあったやと
もしや咲いたものばかりが花だったとでも
たわけ。抱きしめても何にもなれずに
だけど愚痴にしたら負け、自分にたわけ。
悩むことなければそのこと悩んでしまうでしょ
もといもぬけの殻だね だからもう笑います
世が世だったならばあんたの喉もとえぐって
突き刺さったかも 想いは初恋かんざし
孤独の数だけ 強くなれたらいいね
あたしは弱い だけど台車なの
弱さは強さでもある
たわけ。赤襦袢から黒ドレスまでも
着こなせたとしてもほめ言葉とでも
たわけ。言い続ければ嘘も本当
もしや正義ばかりまかり通るとでも、たわけ。
たとえ新月でも あたしたちには
さよならは満ちている
素っ頓狂(すっとんきょう)には
違いない
だけど言わないのよ
たわけ。
たわけ。
たわけ。
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