磧礫(せきれき)
0■磧礫(せきれき)
石ころひとつも遺せぬ人生を
笑うな 石ころ積みつづけても
朽ち果てたあと無限の石置く
光よ むくろを風ふるわせる
ひとつになれやしないもの 愛とは
違いを すき間を その隔たりの
途中にいると 理解すること
うめあう つかの間のぬくもり ああ
聞こうとしなければ何も聞こえない
まして心の声など
磧礫(せきれき)よ ただの石ころよ
あなたと川原で拾った
石のこころが今も わたしにはあたたかい
手のひらの靄(もや)を 空に返したら
雨ふり あなたの森を歩くよ
あなたが独身(ひとり)をつらぬいた理由も
わたしにはわかる気がする
ふたりははだかの 樹の枝伸ばして
あの時さびしさを聞いた
磧礫(せきれき)を その手にそっと今
にぎらせたら伝わるだろうか
何も言わなかった それがわたしの気持ち
荘厳な気嵐(けあらし)や寒茜(かんあかね)の色
ポツンと独り立ってても
あなたはわかっていたんでしょう
この石ころがなぜ美しいか
「歌詞のようなブログ」