土くれほどの愛でいいから
0■打ちあげられたさかな
夜の水槽にあわがのぼる
反目しながらふたり泳ぐ
水槽からまた水が漏れる
薄れる意識にどこまで渇く
剥き出しのモーターが赤くただれる
抱きあう手のひらから零れる 時の砂
土くれほどの愛でいいから
どうか恵んで あなた
土くれほどの愛でいいから
すべてがはがれ落ちてしまう その前に
世間話さえ遠くなるの
あなたとこんなにそばにいても
ふたりは誰なの何の真似なの
無力なまま落ちる 息も出来ない
本当と嘘はなぜ 見まごうばかり
ひとの数だけこの街では 彷徨うばかり
土くれほどの愛でいいから
どうか注いであなた
土くれほどの愛でいいから
夜の水槽には誰もいないのよね
いつだってそうだった 繰り返しそうだった
「歌詞のようなブログ」