傾斜
0■傾斜
彼女のインスタのフォロワー
あいつと会ってて
しらを切るから
浮気なら構わんよって言った
オレよりうんと若いんだから
遊べばいいよ
そこからわだかまり
回転ドアがまわるたび
あの日のことを思い出す
ここのホテルのこの椅子で
彼女の背中を見送った
なぜ彼女が行ったのかわからない
ひとつだけ明白なことは
彼女とのあいだには いつも傾斜があった
この高層ビルから見てる
池袋の街
エレベーターで
地上2Fのフロントに着いた
彼女とはカードキーの関係
マールボロの空箱
夢って言えばいいの
靴下片方失くすように
気持ちはあったとは言えない
なぜか一瞬手を上げた
あれが彼女なりのさよなら?
傷は治っても傷痕は消えない
顔さえ忘れてもぬくもりは残る
正そうとするうちに
曲がってくる 無理 まだ好き
さびしがりやの背中軽く抱くように
世界はほんの少し 傾斜している
「歌詞のようなブログ」