ティノ・ロッシのしらべ
0■ティノ・ロッシのしらべ
少年は風の速度で
自転車に乗ってた
シャンソン好きな理髪店の
伯父さんにあこがれた
欲しいものは 想像してみた
空いっぱいのカラフルな色の中
いちばん大きな風船乗りにもあこがれた
今きみに話してると 可笑しいね
僕はまずしさを誇りにしてた
なにもないのも財産 しごとがなけりゃ作りゃいい
草の斜面をわけてすべる
風は季節のリュージュ
きみがつれてきたこの子も
両親(おや)を知らないんだね
愛されたこと ないならまずは
愛してみよう 抱きしめられたことが
なけりゃ抱きしめよう こわごわとキスしてみよう
今きみとこうしてると なつかしい
あの理髪店の伯父さんは僕の
親戚がわりだったけど 実は父親だったりして
端末で撮ってみよう この丘の
パノラマにいる僕たちを
すべてを遠いところから 今ここに
つれてくる あのティノ・ロッシのしらべ
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