磧礫(せきれき)
0■磧礫(せきれき)
石ころひとつものこせぬ人生を
汝笑うな 石ころ積みつづけても
石ころひとつものこせぬ人生よ
誰もいつかは さざれに変わり果てなん
老いさらばえた者たちよ 愛とは
違いを すき間を その隔たりを
慈しむ つかの間の弔い
水の中のいくさは 流るる川音よ ああ
聞こうとしなければ何も聞こえない
まして心の声など
磧礫(せきれき)よ ただの石ころよ
あなたと川原で拾った
石のこころが今も わたしにはあたたかい
赤子を持たぬ身ならばこそ手には
石より やわらかい爪痕を抱く
あなたが独身(ひとり)をつらぬいた理由も
わたしにはわかる気がする
ふたりははだかの 石に手を伸ばして
あの時さびしさを聞いた
磧礫(せきれき)を あなたが亡くなる前
にぎらせたら伝わったのか
あなたのもとに行かなかった それがわたしの気持ち
荘厳な気嵐(けあらし)や寒茜(かんあかね)の色
難儀(なんぎ)なものです 人の世は
人と人が一番難しい
でもあなたはわかっていたのでしょう
この石ころがなぜ美しいか
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