沙羅双樹
0■沙羅双樹
火という字に
人がいます
想いゆらし
人は火を宿す
地にとどろき
天(そら)に届く
祈りだけが
つづく無限
あなたが何もないという
世界にはすべてがあると
知らせたくて
雲のながれの中で私たち出会います
さよならしましょう何度でも
あなたと出会い続ける
私は沙羅双樹
無いものなど
ありはしない
あなたはまだ
知らずにいる
夢追い人は
夢失くすたび
夢のつづきを
見られるのです
いのちの限りに人はそう
授けられた歌が聞こえてる
思い出して
涙の数珠のひと粒 光に変えています
この手のひらで眠りなさい
葉うらをそよがせている
私は沙羅双樹
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