僕たちは会わずに恋をしていた
0■僕たちは会わずに恋をしていた
そこのソファーはエンプティ
ここのナイフはペナルティ
壁の絵画は少し傾いて
僕らはアンリアリティー
ツェッペリンのギターリフは
鳴り続ける
グラスに苦い気泡があがる
拾う声は途切れがち
電話の向こうで
笑いのこし ふと他人になる
顔隠したままでキスする心は
いつも閲覧用の夜にいた
僕たちは会わずに恋をしていた
さよならなんかに意味はない
漂う匿名でいたから
耳のうしろ熱く押さえて
目を閉じむしろ何も見ず
雑用にまみれからだまで
忘れている
君の瞳が別れに煌めく
心が会えないぐらい
忙しいのじゃなくて
あなたは忙しくしてるのと
事情が立てこんでる 嘘がたたみかける
いずれこうなることはわかってた
僕たちは会わずに恋をしていた
ふたりの好都合は秘密厳守
本名伏せて 本人不在でも 欲しい時に
ツェッペリンのギターリフは
鳴り続ける
グラスに苦い気泡があがる
拾う声は途切れがち
電話の向こうで
笑うと他人になる
顔隠したままでキスする心は
いつも閲覧用の夜にいた
僕たちは会わずに恋をしていた
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