Violinist
0■Violinist
ウラジオストクが
暮れなずむ頃
小さなホールは
さながらカーネギー・ホール
解放弦の音
戦火をのがれて
人々はつかの間
音楽に憩う 夢ごこち
喝采の渦が押し寄せて 高く高く
ヴァイオリンの弓で 軽く 軽く
フィナーレまで 強く 強く
生きていさえすれば夢見れる
どんなに祖国を追われても
武器を楽器に代えて わたしは戦うViolinist
たれ込めた冬の空
暗がりに寄り添う
人びとは微笑み
スープで体あたためる
非力でも届けさせて 高く高く
優しい旋律で 世界いやし
胸の祈り 広く広く
やがて水門(もん)はひとつに開かれる
もしも砲弾に倒れても
わたしは本望だよ ほんの一張羅のViolinist
生き方は我流の演奏だ
この安い楽器でないと味がでない
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