時報
0■時報
スピーカーホンから時報が流れる
自動音声は時を告げはしない
このはじまりがいつ終わるのかを
ふたりの手からこぼれる電話の明かり
反目しあいながら
抱きあいながら
ベッドで同じ話をくり返している
もがくうろこは光る ふたりは血迷う夜の魚
水槽からまた水が漏れてゆく
剥き出しのモーターが赤くただれる
また時報が流れる
かぜぐすりでもそうのんでるみたいに
こころは何も知らぬまま何処へと行くの
床に脱ぎ捨てた
服は着るために
あるというのになにひとつまだ決められない
汚泥の底で響く 埋めあう時が背中をつたうの
ぼんやりあわだけががたちのぼる
水槽にはもうだれもいない と、その時
また時報が流れる
「歌詞のようなブログ」
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