金色堂
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■金色堂
寺の金彩さえうすれゆく
滅びは美しさと言うようさ
唇が感触だけになり
腕はただの重たさになる
やがて煌々と僕らを照らす
それは身を潜めた闇の声だ
身体の中でたおれこむ塔は
指先までもくずれおちる
きみの横顔を照らすように
僕は最後のマッチを擦(す)る
そこらにぶちまけたあと
苦しんでいるのならそう何ひとつ
選択しないそんな自由もある
どこにもありもしないものを 愛などと
呼んでいた僕らは 炎と抱く金色堂
行くなら行けよ もう一度聞くよ
行かないなら きみはいればいい
こんなに近くそばにいたって
二人だけがなぜ見えない
きっかけにふと目覚めるだけ
何が起きても驚かない
僕らはただの日々の傍観者だ
夢など見ない 敢えて言おう
スマホひとつで繋がった
こよりのような寂しさ
そっと今手に渡す
本当のことは何ひとつなかったと
言い負かすのはあまり得意じゃない
燃えさかる火に 灰にもなれなくて
仏か鬼か 空も剥がれて そまる金色堂
「歌詞のようなブログ」
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