姉の恋文
0■姉の恋文
こんなかたちで はからずも
姉の恋文に ふれることは
姉の本意ではなかったでしょう
打ち明けないことが私の気持ち
悟られないことが私の気持ち
人生にくもりひとつもなく
よく晴れた日にまるでほほえむように
息絶えた姉のこと
この家に寄るのも久しぶりで
まだ姉がそこかしこに生きてるようです
この庭にも この木々にも
誰にも読ませない私の気持ち
崩したこの文字が私の気持ち
硯箱に忍ばせる私の気持ち
大いなる失意も私の気持ち
私は女として あなたを
愛しています ああ 弟よ
「歌詞のようなブログ」
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