RUBY
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■RUBY
気持ちなんてものは
とうに持て余してて
あとはどちからが
口火をきるだけなのさに
ワイパーの音が
せわしなくひびく
雨で前が見えない
助手席のきみは横向く
もうさようならしか
言葉が残されてない
きみのコンパクトににひろがる僕は
点滅して
赤信号全滅して
RUBY RUBY RUBY フロントグラスに
大粒の雨つぶ 赤信号透かし
まるで世界じゅうが RUBY RUBY RUBY
叩きつけるEmergency
宝石いろにしたたる おわりのRUBY
聞かれたくないことは
言う筈もない
同じところをまわりながら
ふたりどこへも着けない
それぞれ黙って
ひらくマッチング・アプリ
同じソファーでちがう
相手さがすように
何話そうとしてた
もう知っちゃいないね
知ってたよ やさしさが
仇になることぐらい
RUBY RUBY RUBY ハンドルにもたれ
信号が変わるのを
僕は待ってた気がする
砕けるたびに RUBY RUBY RUBY
きみのこと探してた
たくし上げるシャツに 警告のRUBY
沈む心がなぜか明るい
消えた叫びが明るい
正体不明に照らされ僕ら
RUBYいろにおちてゆく
RUBY RUBY RUBY どっちでもないムキに
針が振れて きみは車を出てく
急かすクラクションRUBY RUBY RUBY
渦巻く瞳(め)の Emergency
さびしさの残響音が 転がる RUBY
RUBY RUBY RUBY フロントグラスに
大粒の雨つぶ 赤信号透かし
まるで世界じゅうが RUBY RUBY RUBY
叩きつけるEmergency
おわりの存在価値など なんにもRUBY
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