ふたりは画面を流れるより早く
0■350mlの缶のプルタブ引いたらふたり何か終わった
いつものように あなたはべッドで
携帯をみつめている
私を抱いたあとも 喧嘩してるときも
あなたはそうするのが常だった
思い当たるふしがないように
心当たりもないように
350mlの缶 プルタブ引いたら
ふたり 何か 終わった
タップしてスライドして
街もネオンもすり抜け
あなたも私の出来事さえも
画面をすべって斜め読み
だけど私
ついさっきのことよ あなたが これまで
携帯なんか見てないことに
気づいたの
差し障りのない ことなど話して
騙し騙し時をつないだ
知らないとあなたは言った 知らないふりしてたのよ
私はあなたの目を見ていた
間違いだって愛せたわ
本気になったら終わる
でもさよならと言っただけで酔いました
あなたののどぼとけ尖った
涙で見えない 幾つも
虹の玉が 液晶に転がり
ふたりも
画面を流れるより早く消える
悲しい場面を
消せるマジック
使い果たしたのね
それでもあなたが使った
バスタオルがテーブルに
きゅんと丸まってて
思わず抱きしめた
これまでしたことがないほど
くちづけて抱きしめた 最後だから
液晶流れる タップして
スライドして
あなたも私も 画面をすべって
斜め読み
だけど私
たったの今よ あなたが これまで
携帯なんか見てないことに
気づいたの あなたが見ていたのは
私のいない世界ね もういいよ
「歌詞のようなブログ」
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