きみが撮っていたもの
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■きみが撮っていたもの
風景を撮ってるのかと思ってた
自撮りをしているのかと思ってた
街のストリートビューには
ふたりのスポットはなかった
ふたりの特別は日常にあった
きみは携帯で何かを撮ってた
いつも撮っていた
でもきみは写真をみせるわけでもなく
何も言わなかった
きみと別れてから ほどなくして
きみから荷物が届いた
きれいな箱に入れられてた
しあわせにもかなしみにも
終わりがあると
きみはいつも言っていた
届いた荷物にはファイルケースが3つと
短いメモ 生存記録のような写真
それも僕の背中ばかり
さしずめきみはうでのいいカメラマン
自分の背中の変化なんてみんな見れない
つきあった頃から順にならべてあった
「あなたの背中が大好きでした
支えてあげられなくてごめんね」と
きみのメッセージを読んでふと思う
今の僕の背中はどんなだろう
きみがよぎる
幸せな言葉だけで話すと
幸せになれそう
悲しみのない幸せもないときみは言った
僕はきみを幸せに出来なかった
「歌詞のようなブログ」
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