AIで僕らの愛は書き換えられない
0■AIで僕らの愛は書き換えられない
トイレでうずくまって
泣いているのは僕だけだろうか
となりのトイレでは
ベルトを外す音がしている
何本見送っただろう 電車の音がする
こんな時アニメの主人公なら なんて言うだろうか
君の髪は最後に静電気のように流れた
僕の涙は液晶に滲んでゆく
携帯のゲームは鳴り続けてる
でもひとつだけ確かなことは
AIで僕らの愛は書き換えられない
誰かを卑しめてたって
結局恥ずかしいのは自分だよ
たとえどんな声に
消されてもきみの声だけはわかると思った
平気そうに笑う 僕は上腕筋からくずれる
ふち取りが僕らを与えてゆくけど抱きしめるうでが
ただの重さになりいい記憶も萎えてうもれてく
世界の白色は 黒があるから
そんなふうに僕は今を知る
キスがただの唇の感触になる
会話がただの言葉の羅列になる
仕方なく空白をなぞるけど
AIで僕らの愛は書き換えられない
天宮にアクロポリスなんてないのは知ってたよ
セル画のような君のよこがお
ふりがな振ってもさよなら
時として 裏切りだったり
やっかみだったり 爪の間の汚れた皮脂だったり
それは僕らの安息地ですらあった
でもひとつだけ確かなことは
AIで僕らの愛は書き換えられない
トイレでうずくまって
泣いているのは僕だけだろうか
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