姉の恋文
0■姉の恋文
硯(すずり)を刷(す)ります
何かしたためます
恋文でしょうか
日々の習いです
くずした文字は誰にも読めない
何を綴ろうと 誰を想おうと
わたしの勝手
墨を含む 一筆がまたかすれゆく
愛(かな)しい 愛(かな)しいと言う
あなたを おもうと
また春がゆく
さやめく想いを
殺してしまいたい
この恋心
すずり箱にしまう
哀しみを 胸に秘めてます
何を書いたか わたしもわからない
写経みたいです
胸もやせて からだのラインくずれる
愛(かな)しい 愛(かな)しいと言う
あなたをおもうと
年ひとつとる
ああ弟よ
「歌詞のようなブログ」
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