彼が泣いた
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■彼が泣いた
それは私なりの想いだった
呆れさせた 彼を怒らせもした
愛を黙らせるゆえのことだった
狼狽えていた 彼は苛立ってさえいた
私は知っていた
このままではふたりダメになると
そして告げた 彼は泣いた
どれだけ 愛していても
彼に嫌われたかった
ねらいどおりに
彼は泣いた 彼は泣いた
蚊帳の中には何があるのか
その蚊帳の暗がりに誰かいるのか 夜は撓垂(しなだ)れる
手招いて煙草の火点けては
蛍のようだとむつみ合ってた
なにやら秘密の匂いして
かくれて月の文読むようで
互いを盗み合った者だけが
捨て去る心を知るのよ
うそをつき通しても
本当にはならないわ
彼が泣いた 彼が泣いた
終わったのよ
私だって同じだけ
泣いてる こんなに 泣いてる
そして告げた 彼が泣いた
無関心にはなれないんだから
そこをどいてよ
愛の言葉よ
彼が泣いた 彼が泣いた
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